【研究発表要旨:2013年6月1日例会】

小澤 純

本学会では、発足1998年から2013年までの15年間に、大会、研修会、例会においてこのように多岐に渡る発表が行われた。以下は、これらを改めて振り返り検証するために、学会年報に収録された標題を項目分類し、まとめたものである。内容は各号を参照されたい。
なお、発表者は姓名を表記し、外部講師には「氏」を付記した。また、◯つき数字は学会年報号数を示し、副題は省略したものもある。

  • 作曲家と作品
    • 作曲家論
      • ③④藤岡由記 「平尾貴四男<ピアノ・ソナタ>作曲の背景」
        ③④根来章子 「20世紀初頭フランス音楽と日本文化の関わり」
        ⑦藤江効子氏 「クレメンティの実像を探る」
        ⑨鳴海史生氏 「演奏家としてのバッハ」
        ⑨藤江効子氏、小林裕子 「ヘンデルの生涯と作品」
    • 楽曲分析
      • ⑤二宮 洋 「シューマン<幻想曲Op.17 Cdur>第1楽章の分析」
        ⑥二宮 洋 「ベートーヴェンとシューベルトとのピアノ・ソナタの演奏表現のための比較分析〜第一楽章冒頭テーマに見る特徴的傾向の違いから」
        ⑦園田高弘 「ベートーヴェン<ピアノ協奏曲第5番「皇帝」>の演奏スタイルの経緯について」
        ⑦市川啓子氏 「リスト<伝説>とドビュッシー<喜びの島>作曲の精神的動機をめぐって」
        ⑦二宮 洋 「クレメンティ<ソナチネOp.36-6>の分析」
        ⑧二宮 洋 「バッハ<インヴェンション第1番>の分析とその教育法・活用法の考察」
        「J.S.Bach<平均律クラヴィーア曲集第1巻第20番フーガ>の分析」
        「モーツァルトにおけるバッハからの影響について」
        ⑧関根敏子 「バッハ<インヴェンションBWV772-786>の成立について」
        ⑧大輪公壱 「平均律クラヴィーア曲集第1巻第1番プレリュードをめぐって~バッハの演奏形式について」
        ⑩二宮 洋 「ハイドンとモーツァルトの<ハ短調ピアノソナタ>の分析と表現」<
        ⑩西川尚生氏 「モーツァルトのクラヴィーア作品—資料研究の現状と演奏をめぐる諸問題」
        ⑪二宮 洋 「モーツァルトの<ピアノ変奏曲-K.300e(265)>とを中心に」
        ⑪二宮 洋 「ハイドン<クラヴィア・ソナタHob.ⅩⅥ−40 Gdur>の分析と表現」
        ⑫二宮 洋 「ベートーヴェン<ピアノ・ソナタOp.7 Esdur>の分析と表現」
        ⑭二宮 洋 「ベートーヴェンの交響曲第5番<運命>を中心にして」
        ⑭奈良康佑 「クレメンティの<ソナチネop.36>についての考察」
    • 演奏表現
      • ③④二宮 洋 「演奏表現とソルフェージュ教育」
        ⑦磯村叙子 「ソナチネアルバムにおける情報の偏りと演奏表現」
        ⑨三谷 温 「現代におけるベートーヴェンのピアノ・ソナタの演奏表現」
  • 歴史的考察
    • 時代経緯
      • ③④青木やよひ氏 「不滅の恋人とその周辺について」
        ③④渡辺 裕氏 「SPに聞くBeethovenピアノ・ソナタ演奏史」
        ⑤青木やよひ氏 「ベートーヴェンの日記」
        ⑥横溝亮一氏 「ショパンの最晩年」及び「広い視野にたった研究の必要性」
        ⑧永冨正之氏 「日本における和声の受容とその問題点について」
        ⑪新納洋介 「ピアノの巨匠パウル・バドゥラ=スコダとフォルテピアノ」
        ⑫飯田眞理 「園田高弘 コンサート・ピアニスト—ヨーロッパの伝統を受け継いだ最初の日本人」
        ⑭井上道子 「チェコのピアノ作品 チェコの歴史をふまえて」
        ⑭永冨正之氏 「西欧音楽と和声と日本人」
    • 音楽史
      • ⑤横溝亮一氏 「ロマン主義文学と音楽、シューマンのピアノ作品を中心に」
        ⑩濱田滋郎氏 「スペイン鍵盤音楽史概要」
    • 演奏習慣
      • ①三谷 温 「メトロノームの表示について」
        ①小澤 純 「メトロノーム以前のテンポについて」
        ①関根敏子 「バロックまでの拍子とテンポの歴史」
        ③④小澤 純 「演奏確立の要素としての演奏習慣とその伝承」
        ⑪関根敏子 「モーツァルト演奏の今昔〜トルコ行進曲を中心として」
    • 様式変化
      • ②永冨正之氏 「総合的楽曲分析のこころみ」
    • 和声変化
      • ②大関智子 「ベートーヴェンのソナタ作品10-3について」
        ②二宮 洋 「近代・20世紀の音楽の様式について」
        ③④二宮 洋 「楽曲への分析と総合理解の基本について」
        ③④野本由紀夫氏 「リストのピアノ書法」
        ⑤大輪公壱 「シューマンとその周辺 同一指向性を持つ増4度関係の和声について」
        ⑪見上 潤氏 「調性と無調性の狭間に咲く怪しい“花”—クリスタル和声の響きに魅せられて」
        ⑫大輪公壱 「旋法と調性との狭間で」
        ⑫安田和信氏 「初期ベートーヴェンの<革新>的側面—1790年代のピアノ・ソナタにおける<特異な>調と<統一の原理>を中心に」
    • 演奏関連
      • ③④二宮 洋 「演奏表現の世界化について〜問題点の基本と関わる要素提言」
        ⑨関根敏子 「ダンス・バロックと舞曲」
        ⑩小澤 純 「装飾、変奏、即興に関する一考察」
        ⑬石橋礼子 「舞曲の演奏表現への探求 ショパンのマズルカを中心に」
        ⑬小澤 純 「舞曲の演奏表現への探求 ポロネーズを中心に」
        ⑬青柳いづみこ氏 「ショパンからドビュッシーへ 練習曲を中心に」
        ⑬安田和信氏 「ベートーヴェンのピアノ・ソナタにおける強弱・アクセント記号について」
        ⑭オリヴィエ・フーレ氏 「ベートーヴェンの音楽とダンス」
  • 研究資料、楽器関連
    • 楽譜資料
      • ⑦長谷川由美子氏 「ベートーヴェンが書いた音、書かなかった音」
        ⑧今井 顕氏 「進化するソナチネアルバム」
        ⑫西川尚生氏 「モーツァルト オリジナル楽譜の調査現状と演奏の関わりについて」
        ⑭平野 昭氏 「ベートーヴェンのピアノ曲のエディションと演奏」
        ⑭後藤菜穂子氏 「ベートーヴェンの交響曲第7番 編曲版の歴史」
    • 楽器関連
      • ⑤山本宣夫氏 「蘇る最古のピアノ バルトロメオ・クリストーフォリ復元製作記録と知られざる天才的なアイディア」
        ⑦小澤 純 「現代楽器の時代的使用法の試み」
        ⑪石橋雅一氏 「17世紀から18世紀にかけての管楽器におけるメカニックの発達とオーケストレーションの変遷について」
    • 音律調律
      • ⑧小澤 純 「J.S.Bach作品における異種調律の体験」
    • 時代資料
      • ⑥大輪公壱 「日本でのプロコフィエフ(1918年)及び戦前来日した音楽家たちをめぐって」
        ⑪長谷川由美子氏 「明治の唱歌集を彩った外国曲−モーツァルトを例に」
  • 音楽教育
      • ③④二宮 洋 「ピアノ教育法への提言」
        ③④磯村叙子 「音大生のレッスンにおける問題点と解決への試み」
        ⑤小澤 純 「フランスの音楽教育研究」
        ⑤寺西 慈 「受け継ぐべきもの」
        ⑥小澤 純 「音楽の総合基礎教育の試み」
        ⑦ヤクシャ・ズラータル氏 「欧州・ロシアの音楽教育システム」
        ⑦三谷 温 「音楽環境・教育システムと演奏表現」
        ⑧二宮 洋 「バッハの鍵盤曲の指導法について」
        ⑫牧野 縝 「音楽をどう伝えていくか −ヨーロッパで私が学んだこと」
        ⑬飯田眞理 「DMAのすすめ アメリカの大学院音楽教育事情」
  • 身体的問題
      • ③④酒井直隆氏 「ピアニストの手の痛みとピアノ奏法」
        ⑬オリヴィエ・フーレ氏 「音楽と身体の動き関する歴史や様々な理論の紹介」
        ⑭磯村叙子 「骨格と筋肉を識る ピラティスから得る身体知識と演奏の関わり」
  • 演奏諸問題
      • ③④ウド・ファルクナー氏 「オリヴィエ・メシアン<幼子イエズスにそそぐ20のまなざし>全曲演奏・小講義」
        ③④小澤 純 「演奏の視覚的認識」
        ⑥クリストファー・N・野澤氏 「古い演奏から学ぶ事—レオニード・クロイツァー」
        ⑥野本由紀夫氏 「パガニーニのヴァイオリン・テクニックからリストのピアノ・テクニックへ」
        ⑥二宮 洋 「演奏解釈における基本 読譜、理解と表現」
        ⑧小林義武氏 「バロック音楽演奏の諸問題」
        ⑩平井千絵 「個人的フォルテピアノ体験について」
        ⑫藤岡由記 「J.カイザーの演奏論に学ぶ」
        ⑫佐藤允彦氏、平野公崇氏 「越境のインプロヴィゼーション 音の生まれる瞬間」
        ⑬小澤由理 「ショパンの響き ジャン=ジャック・エーゲルディンゲル」
        ⑬ゴードン・バック氏 「ベートーヴェンの室内楽におけるピアノの役割」
        ⑭古川 泉 「ピアノ演奏表現のためのいくつかのささやかな提言」