2022年度9月例会連絡書
下記のように9月例会を行いますのでお集まりください。
会長 小澤純
記
日時: | 2022年9月3日(土)18:30より |
場所: | 東京芸術劇場 ミーティングルーム5(池袋西口) |
発表: | 鈴木千帆、後藤友香理 「東京音楽学校におけるピアノ教育レパートリーの変遷」 |
会費: | 会員:無料/非会員(一般):2,000円/非会員(学生):1,000円 ※定員の28名を満たした場合は、それ以上の参加はご遠慮いただきます。 |
内容要旨
現在、日本のピアノ教育界に一瞥を投げかけると、バッハ、ベートーヴェンという代表的なドイツ音楽だけでなく、オーストリア、フランス、ロシア、東欧、北欧諸国等の様々な音楽が取り入れられており、その多様さは目に見張るものがある。
さらにフランス音楽に焦点を当てて考えると、ドビュッシー、ラヴェルを中心に日本のピアノ教育レパートリーの非常に重要な一部分を占めていることに異論はないだろう。
しかし、自然と思われているこの状況が形成されてきたのは、いつごろのことだったのであろうか。
フランス音楽が、取り上げられるようになったのはフランスに滞在し、帰国後紹介した安川加壽子他の功績が大きいとされている。
その際、音楽教育の中軸となる東京音楽学校がそれまでドイツ一辺倒であったという指摘がなされることがしばしばある。
では、実際のところ、音楽黎明期、明治・大正時代のフランス音楽が東京音楽学校でどのように扱われていたのであろうか。
それを本発表にて紐解いてみたい。
日本の音楽黎明期を考察するうえで欠かせない資料とされるのは、『東京芸術大学百年史』であろう。
日本の音楽界を牽引してきた東京芸術大学の前身が今の形になった過程が資料提示として記されている。
この『百年史』は、演奏会編が第三巻まで刊行されているが、本発表では、この百年史演奏会編第一巻・二巻と、東京芸術大学アーカイブにあるピアノ試験曲のリスト、東京音楽学校が存続した昭和27年までを整理し、考察する。
本発表を通じて、先述したレパートリーが世界的に固定されてきたのは実はここ数十年のことで、それ以前は現在とはひと味違う、豊かなレパートリーが親しまれていたことがうかがえると考える。
※ご出席に際しては、新型コロナウイルス対策のためマスクを着用ください。