20203年度10月例会連絡書

下記のように10月例会を行いますのでお集まりください。
会長 小澤純

日時: 2023年10月29日(日)14時00分より -終了致しました-
場所: 昭和音楽大学 南校舎#213
発表: 金子 恵「ブゾーニのバッハ鍵盤曲が演奏家にもたらすもの」
会費: 会員:無料/非会員(一般):2,000円/非会員(学生):1,000円

内容要旨

フェルッチョ・ブゾーニ(Ferruccio Busoni 1866-1924)は、19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍した音楽がである。マルチな才能の持ち主であったブゾーニは、ピアニスト・作曲家・教育家として華々しく活躍したのみならず、音楽学者としての功績も大きく、とりわけ現代ではバッハの作品を校訂・編曲を数多く行ったことで知られている。

その中でも今日演奏されることの多いものは、なんといっても無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータからの編曲であるシャコンヌであろう。原曲の崇高性、孤高さを損なうことなく、かつ19世紀末の華やかなピアノ演奏技法を用い、多くのピアニストのレパートリーとして聴衆にも楽しまれている。

シャコンヌをはじめ、他のブゾーニのバッハ編曲作品も含め楽譜を見ていくと、その追加音の多さ、必要とされるペダリングなどによる音の継続の大胆さなど、自由度の高さに驚かされる。ピアニスティックな書法が付与するある種の「弾き心地のよさ」が、演奏者の音楽的表出の幅を広げるかのようにも感じられる。彼はなぜ、このようなバッハ編曲を行ったのであろう。そして演奏者の視点からは、これらをどのように解釈していくことが求められるのであろうか。主にシャコンヌを通して、その魅力を紐解いていく。その上で演奏におけるアプローチを考察していくことが本発表の目的である。